仕事に充実感を感じない時に見るべき動画。ミハイ・チクセントミハイ「フローについて」
「フロー体験」という言葉をご存知でしょうか?
フロー (英: Flow) とは
人間がそのときしていることに、完全に浸り、精力的に集中している感覚に特徴づけられ、完全にのめり込んでいて、その過程が活発さにおいて成功しているような活動における、精神的な状態をいう。ZONE、ピークエクスペリエンスとも呼ばれる。心理学者のミハイ・チクセントミハイによって提唱され、その概念は、あらゆる分野に渡って広く論及されている。
何かの道のプロや一定の技術を持った人が、作業中に我を忘れて無我夢中の状態になったり、
スポーツ選手が、プレイ中に真っ暗な空間に自分ひとりが存在しているように感じたり、
球が止まって見える状態のことです。
スポーツでは、「ゾーンに入る」という表現が使われることが多く、
コミック「黒子のバスケ」でも多様されています。
[【黒子のバスケ】キャラ別超能力&技まとめ] (http://matome.naver.jp/odai/2133381724230857501)
この、フロー体験を提唱したのが心理学者のミハイ・チクセントミハイで、
彼のプレゼンテーションはTEDで見ることができます。
フローに入るための条件として、ミハイ氏は以下を挙げています。
- 明確な目的(予想と法則が認識できる)
- 専念と集中、注意力の限定された分野への高度な集中。
(活動に従事する人が、それに深く集中し探求する機会を持つ)- 自己に対する意識の感覚の低下、活動と意識の融合。
- 時間感覚のゆがみ - 時間への我々の主体的な経験の変更
- 直接的で即座な反応
(活動の過程における成功と失敗が明確で、行動が必要に応じて調節される)- 能力の水準と難易度とのバランス(活動が易しすぎず、難しすぎない)
- 状況や活動を自分で制御している感覚。
- 活動に本質的な価値がある、だから活動が苦にならない。
プログラミングの作業とフロー体験は相性が良さそうです。
Github社の働き方は凄くプログラマ・フレンドリー
http://www.umekun.com/archives/1462
簡単に結論を紹介すると、プログラマがゾーンに入ってる時に、邪魔されると、もう一度ゾーンに入るためには、30分から一時間かかることも珍しくない。
そのため、同僚の質問を5分で答えられたとしても、その人がまたゾーンに戻るために30分以上かかるから、結果的に全体の生産性が落ちる。
なるほど、プログラマーがゾーンに入っているのを邪魔するべきではない、
とGithub社は考えているそうです。
世界的に利用されるプロダクトを生み出すGithub社。
リモートワークをいち早く導入していることでも有名ですが、
思想、指針が本質的でいいですね。
Githubのスライドには、
The best solutions happen when YOU'RE IN THE ZONE.
って書かれてました。
逆に、安全なコードを書くためには、わざとフローに入らないようにしている
という意見も。
ゾーンに入っている間は発想が非常にクリエイティブになります。がむしゃらにゴールへの最短距離を目指しやすい精神状態になるため、過程よりも、「結果に辿り着くこと」を重視したコードを書きがちになります。知っている限りの知識が総動員されてウルトラCのような妙技が浮かぶこともしばしばです。その結果として読みにくかったり、メンテナンスしにくかったりするコードになってしまう傾向があります。
なるほど。
何が何でもゾーンに入るのがよいわけではない、という意見の方もいらっしゃるようです。
「安全なコードを書く」ということも含めたゾーンに入る方法はないのでしょうかね。
いずれにせよ、仕事で幸福感を得つつ、自分の技術もアップしていくために、
素晴らしい考え方だと思います。
「フロー体験」についてまとめられたミハエル氏の著書。
時間空いた時に読んでみよっと。
私が最近気に入っている、仕事や生活を楽しむための似たようなアプローチとして
メディテーション(瞑想)があります。
こちらもTEDの動画があるので、興味のある方は是非こちらも見てみて下さい。