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右脳 : 左脳 = 世界の表 : 世界の裏

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先日見たこの動画がずっと忘れられない。
ある日脳卒中になってしまった脳科学者、
ジル・ボルト・テイラー (Jill Bolte Taylor) のTED Talk。

彼女は脳科学者として研究していることを自身で体験するという
非常に稀有な経験を持っている。

脳科学によると、
右脳は、映像で考える。 右脳は、今この瞬間、今ここ、だけに興味がある。

右脳の捉える「自分」というのは、いわゆる自分自身と他者や
全ての物質との境界がないそうだ。
つまり、右脳だけで世界を捉えると、「この世の全ては1つの大きな何か」
になるそうだ。

これは、ブッダやインド哲学、キリストの世界観とすごく近しい。
また、物理学で言うと、超ひも理論的な世界観と似ていると言える。


一方で左脳は、言葉で考える。
左脳は、過去と未来だけに興味がある。
過去の情報を分析し、未来を見通す機能がある。

左脳の捉える「自分」というのは、
他者と一線を画した、いわゆる我々の一般常識でいうところの「自分」だ。
私は◯◯という一人の人間であり、
私自身を守らねばならない、という認識を与えるものだ。

こちらは、近代の物質主義的な世界観に似ている。

こちらの機能が活発になりすぎると、利己的になり
「自分だけがよければ」「あいつはムカつくから何か制裁を」
という結論に行き着くことになるのは簡単に想像できる。


左脳の一部を脳卒中で損傷したジル・ボルト・テイラーは、
右脳だけで世界を見ることが出来た。

その世界は平穏で幸福感につつまれ、
これまでの人生で抱えてきたものから全て解放され、
至福の世界だった。
全てのものと自分との境界がなくなり、
エネルギーだけが存在していたそうだ。

(この辺は彼女のトークを是非動画で見て欲しい。本当にすごい。笑)

右脳だけで捉えた世界を体験した彼女は、トークの最後をこんな言葉で閉めている。

「我々がより多くの時間、右脳側に寄り添い、平安の回路で生きることを選択すれば、
世界には平安が広がり、われわれの地球ももっと平和な場所になると信じています。」


この動画を見て思い出したことがある。

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映画「スティーブ・ジョブズ1995 ~失われたインタビュー」で
スティーブ・ジョブズは自分をヒッピー的世界観の人間だと語っている。
そして自分が今まで出会ったとてつもなく優秀な人間も、全てそうだったと。

われわれは一般的に、優秀な学校を出て一流企業に入り、
裕福な暮らしをすることが成功だと捉えている。

しかし何かのきっかけでその世界に裂け目ができ、
別の世界が溢れ出してくることがある。

ヒッピーとはその現象のひとつであり、
われわれは普段コインの表で生活しているが、
コインの裏にはとてつもない世界が広がっており、
人を、銀行員ではなく、詩人になりたい。と思わせる。


コインの表は左脳的世界観、
コインの裏は右脳的世界観、と言うことができると思う。


また、スティーブ・ジョブズは若いころ禅に傾倒していたのは有名な話だが、
瞑想のスペシャリストたちは、

「頭の中のおしゃべりを止め、今、ここだけを捉えなさい」
と言う。

言い換えると、
左脳の活動を止め、右脳だけを使ってみろと言えると思う。


瞑想にも色々あると思うが、私が実践している瞑想の効果として、
幸福感に満たされる、ということがある。

頭の中のおしゃべりを止め、今、ここだけに集中すると、
なぜか不思議と身体の奥から幸福感が湧いてきて、
満たされた気分になる。


話はいろいろと飛ぶが、現在の脳科学では、
人間の脳が最も幸福度を感じているのは、
「ボランティアをしているとき」
という実験結果が出ている。

つまり、利己から離れ、人のために何かをしている時が、
もっとも幸福、という風に人間の身体はできているということだ。

こちらも、左脳から離れ、右脳の活動が活発になっている瞬間だということは
容易に想像できる。


シリコンバレー、とりわけGoogleでは、
今瞑想がブームだ。

WIRED シリコンヴァレーが、いままた「禅」にハマる理由

http://wired.jp/2013/12/29/enlightenment-engineers-vol9/

フリー、オープンという根本思想のインターネットを牽引しているGoogleもまた、
フリーでオープンな企業である。
私はGoogleがなければ生きていけないが、
まだGoogleに1円も払ったことがない。
(もちろん、広告を出稿する企業のおかげでそれが達成されては前提として)

Google内で世界的に活躍している人を何人か知っているが、
「素晴らしい世界を作ろうと、本気で思ってるんだろうな」と
感じさせる人ばかりだ。
彼らから利己性は感じないし、自分のためになるかわからないような
社会貢献活動をやっていることも多い。

また、プログラミングは極めて左脳的な作業であるが、
優秀なエンジニアほど右脳的世界観を持っていると私は思う。
Googleの優秀なエンジニアはその良い例だ。


人類はすでにインターネットを選択したといって間違いはなく、
これから益々、人類はインターネットと成長を共にしていくと思う。

それはインターネットの根本思想も徐々に人類全体へインストールされていくと思って間違いない。

世界はきっと、右脳的な世界へと動いていく。
きっと、幸せな世界が待っている。

ジル・ボルト・テイラーの体験を綴った著書